●春分(しゅんぶん)
日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり
No.024
彼岸のぼた餅
春分の日を真中に前後3日間ずつの春7日を彼岸。彼岸とは梵語の波羅密多で煩悩の此岸から涅槃の彼岸に至る願い。寺院では飯汁餅菓など小豆を用いたお供えを、また広くぼた餅をお供えし祖先の墓に詣でる習慣が連綿と続いています。源氏物語にもひがんあり。
半殺し・本殺し?
「牡丹餅に夕飯遅き彼岸かな」(虚子)砂糖や菓子の無かった時代小豆アンの滋味こそ無上の楽しみであったことでしょう。ぼた餅は諺の中にも多数あります。「棚からぼた餅」「夏のぼた餅嫁姑の仲なおり」等々幸運や理想の女性になぞらしたり、それにありつく為の努力を訓したり、嫁姑の関係改善のたとえに使われ深い処世訓を含むものもあります。家族のふれあいや子供の情操教育に重要な役割を果たしてきた民話の中にもたくさん登場。「ぼた餅を食べた金仏さま」や「嫁が見たら蛙になれ」は和尚と小僧、姑と嫁のぼた餅の話。明日は半殺しにしようか本殺しにしようかと耳にして寝れなかった一夜の話―半殺しはぼた餅で本殺しは餅。炊いた米のつぶし具合はぼた餅(おはぎ)作りのポイント。祖先の知恵に思いをはせつつ彼岸の小豆を楽しみたいもの。