●清明(せいめい)
万物はっして清浄明潔なればこの芽は何の草としるる
No.025
春を彩る小豆
寒のもどりを繰り返しながら徐々に春めいてくるのがこの季節。桜前線が日本縦断。各地では春祭りが始まる。祭りに小豆は欠かせない。アンもち、赤飯を家庭でつくり、神様に供えた後、家族、親戚で分け合って食す。小豆は人と人 、人と季節、人と神をつなぐ。
林神社の饅頭祭り
饅頭の始祖林浄因を祀る林神社が奈良市漢國町漢國神社の境内にある。浄因は宋の人。14世紀に京都建仁寺の竜山禅師の弟子として来朝、後に奈良に居を構え中華料理の点心である饅頭を広めた。当時の日本で初めてのアン入り饅頭の美味しさが時の将軍足利尊氏に賛美され、崇光天皇から「日本第一番饅頭処」の看板を上げることが許された。そのお店が漢國神社の社頭にあったのでここに林浄因命が祀られている。小豆アンなどのアンを山芋と小麦粉の皮で包む薯蕷(じょよ)饅頭。今では和菓子の代表格のような食べ物が実は古代中国に生まれ中国の人によって日本に伝えられた。毎年4月19日林神社の春の例大祭、饅頭祭り。全国の和菓子屋さんから供えられた数々の名物饅頭は祭礼後参拝者に振る舞われる。ところで甘い小豆アン入り饅頭の美味しさが大衆化していくのは江戸時代初期だといわれている。