●寒露(かんろ)
陰寒の気にあふれて露むすびこちんとすればなり
No.085
狼と赤飯
秩父地方には「狼」即ち「お犬様」と関わりの深い神社が多くありあます。その一つに三峯神社。社名は標高2018メートルの雲取山、お社がある白岩山、奥宮がある妙法岳の三つの霊峰から起こっています。この神社で、お犬様に小豆の赤飯を供える神事が執り行われます。
御焚上祭
御祭神の従者、御眷属であるお犬様の神事は毎月二回行われます。神職だけの祭を10日に近宮で、講員全体のものを19日に遠宮で行います。甑番と呼ばれる担当神職が午後1時半から梗米と小豆で赤飯を調理し、それにお酒をかけ、4時にお宮にお供えし、神事を行います。19日には10日の三倍の赤飯をつくります。この神事は御炎上祭といわれ、同じ秩父地方の宝登山神社でも行われていますが、それは7日のみで白飯が供えられます。三峯の赤飯に関しては民俗学者柳田國男が『山の人生』に「『三峯山誌』の記すところによれば・・・・御眷属子を産まんとする時は、必ず凄然たる声を放って鳴く。心直ぐなる者のみこれを聴くことを得べし。これを聴く者社務所に報じ来れば、神職は潔斎衣冠して、御焚上げと称して小豆飯三升を炊き酒一升を添え、その者を案内とし山に入り求む・・・・」と書いています。