●立冬(りっとう)
冬の気たちそめていよいよひゆればなり
No.087
活動写真とアンパン
映画評論家淀川長治さんが亡くなられたのは平成10年11月。淀川さんは映画の街、神戸に生まれ、映画好きの両親に育てられました。淀川さんが映画少年だった頃、各映画館に名物のおやつがあって、あんパンや氷小豆を頬張りながら活動写真に食い入っていたそうです。
仲直りのお善哉
オダサク・・・織田作之助。不朽の名作「夫婦善哉」を書いた作家です。大阪庶民の風俗を描き、人気作家へ。残念なことに30歳代で他界しましたが、人生の酸いも甘いもわきまえた作風は枯れた老作家の様で、どこか厭世的。ちょっと哀しいて、おもろうて、無情の世の中を転げる様に生きていく登場人物には親しみがもてます。「夫婦善哉」の主人公、蝶子と柳吉もそんな女と男。蝶子は雇女(芸者の役もする仲居)をしながら、ぼんぼんで遊び人の柳吉を養います。時には男になろうとする柳吉だが、その度に挫折。蝶子は、今度こそ別れたろうと思うけどなんでか別れられへん。柳吉の魅力の一つが庶民的食い道楽。ライスカレー、まむし(鰻丼)、関東煮等々。そして一人前が二つのお椀に入っている夫婦善哉。温かい小豆の善哉を二人仲良くすする場面で小説は終わります。夫婦喧嘩の後に、お父さん、一度参考に。