●啓蟄(けいちつ)
陽気地中にうごきちぢまる虫あなをひらき出ればなり
No.095
小豆を犯す不気味な菌
3月6日頃を啓蟄といい、この頃から日本列島の北端南端を除いた各地では、蟄(虫が土中に閉じこもる)が啓いて虫たちが地上に姿を現し、季節は春めいてきます。ところが小豆に害を与える悪い黴菌はこの時期もじっと地中に身を潜め、小豆の種蒔きを待っているのです。
小豆の大敵 枯葉病
小豆を犯す病原菌の中には厳寒の十勝平野の地中で越冬するしぶといヤツもいます。小豆の代表的な病害、枯葉病の菌です。枯葉病は、何年間も続けて十勝小豆を栽培し続けた連作の畑で、若緑色の莢が最も大きく育つ八月下旬に葉が枯れ始め、この時期に初めて病状が顕著になる厄介な病気です。場合によれば通常に70%以上も収穫量が減ることもあるそうです。しかも菌は薬剤でも死滅しないという本当に憎たらしい疫病神で、これをおとなしくさせるには、豆の連作を避け、同じ畑で作物を栽培し続ける場合、例えば、ビート→小豆→馬鈴薯→秋小麦→菜豆というように、年毎に作物を変える輪作に心掛けることが大切です。輪作は、各作物が栄養分を吸収する土壌の層などが異なるという性質を生かした賢い農法で、輪作ゆえに十勝小豆を生み出す健康な土壌が維持されているといえるでしょう。