●立冬(りっとう)
冬の気たちそめていよいよひゆればなり
No.111
おしるこで恩返し
日蓮宗の宗祖日蓮聖人が修行僧の頃の話です。是正房蓮長と名乗っていた時のことでしょう。或る土地で子供らにひどく苛められていた狸を助けました。その狸、恩返しにと家族総出で日蓮さんを招いて、「修行で疲れた体を癒してください」と温いおしるこをご馳走したのだそうです。
能勢妙見山のおはぎ供養
日蓮宗霊場能勢妙見山、通称「能勢の妙見さん」。大阪府北端の山頂にあり、大阪都心から1時間あまり。年間を通じて数多くの参拝者が訪れます。ここで毎年11月12〜13日に御会式(日蓮聖人の忌日法要)という仏事が行われ、12日の24時を過ぎると2〜300個のおはぎが参拝者に振る舞われます。このおはぎはとくに日蓮聖人と深い関係にあります。文永8年(鎌倉時代後半)9月12日、聖人は龍口法難という大難にあわれました。熱心な布教の故に理由なき罪を着せられた聖人は、役人たちに捕らえられ、鎌倉市内を刑場に引き立てられて行きました。その聖人の姿を一目拝もうと善男善女が集まりました。その中のある老婆が鍋ぶたにのせたお餅を聖人に差し上げました。これが世にいう首継ぎのボタ餅。お餅は急ごしらえのため、おにぎりに塩胡麻をまぶしただけのものだったと言われていますが、それが後世に小豆餡のおはぎ(ぼたもち)に姿を変えたようです。