●穀雨(こくう)
春雨ふりて百穀を生化すればなり
No.122
世界文化遺産で小豆話
富山県東砺波郡平村相倉。五箇山地方独特の合掌造りの家々に今も人々が暮らし、世界文化遺産にも指定された集落です。合掌造りの家の多くは民宿を営んでおられますが、民宿のお年寄りに話を伺っていると、一年や一生の節目節目に小豆が頻繁に登場してきます。
小豆の風習を守る
相倉の民宿の「勇作」は品格高い合掌造りです。ご主人は相倉を撮り続ける写真家で、その写真に時々登場する女性、ご主人のお母さん=「勇作」の名物おばあちゃん。相倉の生字引の一人です。ご主人夫婦が富山市在住の間、おばあちゃんは大きな合掌造りの家で独り暮らしながら、氏神様が出 雲へ発つ日に牡丹餅、出雲から帰る日に小豆ご飯を作るなど、昔の風習を守ってきました。このおばあちゃんから「あの日も小豆は欠かせんです」と知らされたのが春祭りです。4月20日早朝、宮別当が神饌の赤飯を氏神様にお供えし祭りが始まります。午後にはシャグマを被った獅子トリ役の子供と獅子が華麗に舞います。この時期近隣の集落では軒並み春祭りが行われ、神饌や宴のご馳走に赤飯が登場します。祭りが終る頃、山の雪も融け、囲炉裏の火も消える。五箇山の季節の節目に小豆があります。