●小満(しょうまん)
万物盈満すれば草木枝葉しげる
No.124
小豆食う虫
ものを知らぬが故の失敗談や笑い話は昔語として各地に伝わっています。饅頭がなかった山奥の人々が饅頭を「毛もない足もない奇妙な虫」だと思い、大騒ぎします。やがてその饅頭を潰すと中から小豆が飛び出します。「そらみぃ、これは小豆を食う虫だ!」
牡丹餅で洗面
確か「手水回し」という落語があったと思います。手水(洗面)の意味を知らぬ人が、洗面のために出された水を飲み干し、自分の長頭(長い頭)をグリグリ回すという滑稽話ですが、その原形らしきものが『牡丹餅と洗面』という昔話に見られます。夫が一人で妻の実家に行きます。朝起きると盥一杯の水と塩が出てきます。夫は塩を水に混ぜ飲み干します。満腹になった夫は「これでは飯は食えん」と家に逃げ帰り、妻にその旨を伝えます。すると妻は「塩は歯磨き、水は洗顔のためだ」と教えます。その後、夫は再び実家を訪れます。妻の両親は「娘の婿は食べること以外は知らんのだ」と思い、朝一番に牡丹餅と惣菜を出します。すると夫は惣菜で歯を磨き、牡丹餅で洗顔をする。夫の顔は小豆の潰し餡でやがてパリパリになります。妻は「アホにつける薬はないわい」と嘆きます。