●芒種(ぼうしゅ)
芒ある穀るい稼種する時なればなり
No.125
宮崎県椎葉村の焼畑農莱
九州山地を椎葉山地ともいいますが、その山岳地帯を行政区域とする椎葉村。村内には標高千mを越える山が62、そのうち千五百mを越える山が18あります。この険しい山里には、稲作以前の農業である焼畑農業を営み、小豆や稗などを作り続ける人たちがいます。
さえ・こうまもない
椎葉村のお年寄りは、標高約千mの土地を「さえ」、約九百mの土地を「こうま」、約六百〜四百mの土地を「さと」と呼び、「小豆はさえもこうまもない」と言います。「小豆はどこに播いても良い」という意味です。「ネコブク8枚重ねても小豆は刺し通す」という諺もあります。ネコブクとはワラゴサのことで、ワラゴサ8枚を上に重ね置いても、小豆は芽を出し突き通して育つとい う意味です。それほど小豆は生命力に溢れた作物なのです。焼畑は替地輪作で行われます。同じ土地で1年目は蕎麦、2年目は穂物と言われる稗か粟、3年目に小豆、4年目に大豆を育てます。次の年からは土地を換えて同じサイクルで輪作を行います。輪作を終えた土地では数十年に亘り杉を育てます。椎葉村向山日添の焼畑では「小豆の播種は夏至の後先」と言い、概ね6月上旬〜下旬に小豆の種蒔きをします。