●立春(りっしゅん)
はるの気たつをもってなり
No.165
御日待で小豆ご飯
島根県邇摩郡温泉津町。日本海に面したこの町の小浜地区では2月14日深夜に御日待行事が行われます。この季節は最も寒さが厳しい季節、海岸地帯には強烈な風雪が叩きつけます。しかし極寒の中で小浜の善男善女、特に子供達は珍しい伝統行事を行い、それが終わるとお待ちかねの小豆ご飯です。
ネエタラオコセの盛相
本来は小正月の日の出を崇拝するために夜を徹するのが御日待。温泉津町小浜では一月遅れの新暦2月14日に行い、同日午前中から村の女性達がお寺で小豆ご飯を炊き、それを竹筒に詰めて突き、詰めては突き出して大量の赤いおむすびを作る。これを盛相と呼び、盛相とは飯を盛り計り一人ずつに給する道具や器のことを言うが、ここでは盛り計った小豆ご飯そのものを盛相と言う。さて午後8時、厳島神社に子供達が集合。太鼓を叩き「ネエタラオコセ(寝たら起こせ)」と叫び町内を練る。これは「日の出まで眠るな」と「火の用心」の意味。そして子供達は神社の拝殿で「王子や王子、五郎さんの王子」と叫び床が抜ける程に飛び跳ねる。この「王子や…」の根拠は不明。ただし跳躍は大地の神の目覚めを促すためか?その後、子供や参拝者達は盛相を貰い帰宅。当番の男達だけは堂に籠もり午前零時と3時にネエタラオコセを行い、朝には村境8ヶ所に悪霊払いの御幣を立てて御日待の行事を終了。