●雨水(うすい)
陽気地上にはっし雪氷とけて雨水となればなり
No.166
狼信仰と小豆
岩手県上閉伊郡大槌町金沢字安瀬ノ澤小字オイノマツリ(オイ=狼)に三峯山の石碑が立っている。三峯山とは狼信仰で有名な埼玉県の三峯神社のことで、明治時代に狼から牛を守るために建てられたのがこの石碑である。三峯神社と同様安瀬ノ澤でも狼神の祭りを行うが、両者とも神饌に小豆は欠かせない。
狼神も人も小豆大好き
三峯神社は毎月10日と19日に御炎上祭という狼神のお祭りをします。神饌は小豆ご飯に御神酒をかけたものです。岩手県の安瀬ノ澤では単に狼祭りと呼び毎年2月19日に行います。狼祭りの神饌は小豆ご飯のおむすび、生玉子、干し魚、御神酒です。どちらも小豆ご飯のお供えです。岩手県胆沢郡衣川にも三峯神社があり、ここは秩父(埼玉)の三峯神社から勧請された分社で、この分社からさらに分霊されたのが安瀬ノ澤の三峯山です。分社三峯神社にも今も小豆ご飯を炊く厳格な神事が残っているようで、すなわち本社から分社、分社から分霊へと小豆ご飯の神饌も伝えられたのでしょう。現在、狼祭りを行っているのは安瀬ノ澤だけですが、以前は周辺の幾つかの在所に伝わっていましたので、お祭りの時期になるとあちらこちらで小豆ご飯が炊かれていたようです。ところで安瀬ノ澤の狼祭りではすすり団子なる小麦団子入善哉も登場。雪の中での祭りを終え、小豆風味豊かなすすり団子で体も心もあたたまる。