●清明(せいめい)
万物はっして清浄明潔なればこの芽は何の草としるる
No.169
大豆と小豆を比べると
若狭地方の或る専業農家の方から聴いたのですが、「大豆は十里四方の種を使う」。即ち大豆は気候風土が異なる土地から貰ってきた種を蒔いても上手く育たないのです。しかし「小豆は何処へ持って行っても育つ。しかも山間部の荒地でも世話もしないのに勝手に育つ。小豆の生命力には誠に驚く」
小豆は日本の背骨
世界の古代文明滅亡の原因の一つに、畑の開拓と燃料源確保のための森林伐採があげられるそうです。砂漠と化した不毛の大地は実は大昔には緑豊かな木々が生い茂っていたということになります。それに対し営々と水稲栽培を行ってきた地域では水田にきれいな水を得るために山を守る、即ち山の樹木を育て川を守り、常に土地の潤いを保ってきました。稲の国といわれる日本は特にその努力を重ねてきました。そういう先人たちの尽力のお陰と、四季が顕著で起伏がはげしい島国という地理的条件がプラスされて、日本は高度な文明社会である一方で全国津々浦々に、生命力あふれる山川海、田園や森林の美的風景を伝える景観の地となっています。そして、山の村や海の村など様々な自然条件の土地の小さな畑で、山の傾斜地で、田の畦で、木の影で小豆や小豆の仲間が育ち、地域の食生活ばかりではなく伝承文化を守っています。白く輝く米、赤く黒く逞しい小豆。小豆と米は日本の背骨!